食品表示に関する消費者庁交渉 「遺伝子組み換えでない」表示が消える ~消費者の知る権利・選ぶ権利を守ろう~(2023.2.28)

食用油や醤油などで表示が免除されるなど不十分な表示制度の下で、私たちの食卓にあふれる遺伝子組み換え食品に表示はありませんが、これまで遺伝子組み換え食品を避けるために役立っていた「遺伝子組み換えでない」表示が、4月から実質的に禁止されようとしています。消費者庁との意見交換会を開催しましたが、消費者庁は従来の主張を繰り返しました。

日時 2月28日(火) 13時半〜15時半
会場 参議院議員会館 B103号会議室
主催 日本消費者連盟、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン

私たちの要求
1、「遺伝子組み換えでない」表示の過剰な規制を是正すること
2、遺伝子組み換え表示基準量(5%)を引き下げること
3、社会的検証を取り入れ、食用油等の遺伝子組み換え表示を義務付けること
4、ゲノム編集食品の表示を義務付けること

事前質問と回答

1.社会的検証の取り入れによる、食用油等の遺伝子組み換え表示義務付けについて

 4月から「遺伝子組み換えでない」表示を検出限界未満の基準とすることになっていますが、食用油等については原料に遡って検査したり、混入のないことを証明する等の社会的検証が求められています。一方、遺伝子組み換えの表示は科学的検証ができないことを理由に食用油等を表示免除としています。これは明らかにダブルスタンダードで、規制に一貫性がありません。私たちはこれまで、社会的検証による食用油等の表示を求めてきました。「遺伝子組み換えでない」表示の規制に求める社会的検証を遺伝子組み換え表示に取り入れられない理由はありません。改めて、食用油等の遺伝子組み換え表示を行うなどの表示基準の改正を検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

消費者庁の回答

義務表示の対象となる遺伝子組換え食品の品目については、大量の原材料や加工食品が輸入されている我が国の状況下においては、社会的検証だけでは表示の信頼性を十分に担保することが困難であり、科学的検証と社会的検証による事後的な監視可能性の確保が必要であることから、組み換えられたDNAやこれによって生じたたんぱく質が広く認められた最新の技術によっても検出できない油やしょうゆ等の食品については、義務表示の対象外としています。そのような中、「遺伝子組換えでない」旨等の任意表示を行う場合には、分別生産流通管理の証明書、第三者分析機関による分析結果等により、表示の根拠となる資料を示すことが必要となります。

2.遺伝子組み換え表示基準量(5%)引き下げと「遺伝子組み換えでない」表示規制の見直しについて

貴省との意見交換において、現状においても、スクリーニング検査は混合試料で検査するが、規制に至るまでに穀粒ベースの確認検査を実施している旨の回答がありました。遺伝子組換え表示制度に関する検討会の議論では、このことに触れられず、穀粒ベースの検査の採用も検討されませんでした。穀粒ベースの検査であれば、複数遺伝子が組み込まれたスタック品種における重複計測がないことから、分別原料の多くにおいて概ね1%以下の混入率での管理ができると考えられます。改めて、表示基準量(5%)の引き下げが検討できると思いますが、いかがでしょうか。

 表示基準量が例えば1%又は0.9%に引き下げられれば、「遺伝子組み換えでない」表示も、その基準以下で十分に規制できると考えられます。そうすれば、「分別生産流通管理済み」などの意味不明な表示もせず、今まで通りの「遺伝子組み換えでない」という分かりやすい表示ができます。表示基準量の見直しとセットで「遺伝子組み換えでない」表示の規制を見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

消費者庁の回答

義務表示については、現実の農産物及び加工食品の取引の実態として、分別生産流通管理を適切に行うことにより、最大限の努力をもって非遺伝子組換え農産物を分別しようとした場合でも、大豆及びとうもろこしについては、遺伝子組換えのものが最大で5%程度混入する可能性を否定できないことから、 我が国では、分別生産流通管理が適切に行われていれば、5%以下の意図せざる混入を認めています。

平成29年に消費者庁において開催された「遺伝子組換え表示制度に関する検討会」では、事業者による原材料の安定的な調達が困難となる可能性、許容率引き下げに伴う検査に係る作業量やコストの増大などの事情を総合的に踏まえると、大豆及びとうもろこしについて5%以下の意図せざる混入を認めている現行制度を維持することが適当と判断されました。

一方で、大豆及びとうもろこしに対して遺伝子組換え農産物が最大5%混入しているにもかかわらず、「遺伝子組換えでない」という任意表示を可能としていることが消費者の誤認を招くとの指摘を受けてご議論いただき、消費者の誤認防止や消費者の選択幅の拡大等の観点から、「遺伝子組換えでない」表示が認められる条件を現行制度の「5%以下」から「不検出」である場合に限ることとし、これまでどおり遺伝子組換え農産物の混入を5%以下に抑えているものについては、適切に分別生産流通管理を行なっている旨の表示を可能とすることが適当と判断されました。

3.ゲノム編集食品の表示義務付けについて

 ゲノム編集食品の表示は科学的検証ができないことを理由の一つとして義務化が見送られていますが、「遺伝子組み換えでない」表示の規制に導入しようとしている社会的検証を取り入れれば、ゲノム編集の表示は可能です。業務用・中間原料を含む食品に表示を義務付け、種苗の表示も義務付ければ、トレーサビリティが確立していなくても、表示事業者は原材料の表示に基づき、製品の表示を付けられるからです。改めて、ゲノム編集食品の表示を検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

消費者庁の回答

ゲノム編集技術応用食品のうち、遺伝子組換え食品に該当するものについては、食品表示基準に基づく遺伝子組換え食品に関する表示制度に基づき表示を義務付けています。一方、遺伝子組換え食品に該当しないものについては、ゲノム編集技術を用いたものか、従来の育種技術を用いたものかの科学的な検証ができないことに加え、表示を義務付けている国等がないため、輸入食品等の書類による情報伝達等の社会的な検証を行うことは困難であること等の課題があります。このため、現時点では、違反した事業者に罰則が伴う表示の義務付けを行うことは難しいと考えております。

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